メタバースは失敗?原因や事例、普及の可能性について解説
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インターネット上に3DGCで作られた仮想空間=メタバース。
世界中の誰もが参加でき、好みのアバターで自分を表現できる、究極の多様性でありフロンティア。コミュニティも遊びも、展開できるビジネスも無限大です。
―― しかし、そこまで普及していないのでは...…?
この記事では、企業のメタバース垂直立ち上げを多数支援してきた株式会社Vが、
「メタバースは失敗に終わる」
と言われる理由をビジネスの視点から検証します。
メタバースのビジネス活用を検討している
失敗原因を知りリスクを把握したい
成功事例があれば具体的に学びたい
メタバース市場の今後が気になる
こんな方は、ぜひ最後までお読みください。
メタバース事業の91.9%が失敗に終わっている
そもそもメタバース事業は、本当に失敗が多いのでしょうか?
実は2023年にQUNIEが行った調査によると、メタバース事業の91.9%は失敗に終わっています。
下記のグラフから、「事業化にむけた検討の停滞」や「検討自体の中止」が原因で、多くのメタバースビジネスが失敗していることがわかります。
メタバースが失敗してしまう理由
では、なぜ多くのメタバース事業が失敗し、世の中に普及しづらいのでしょうか。
本記事では下記の原因について、詳しくみていきます。
既存のオンラインゲームとの違いが認識されていない
プラットフォーム選定が間違っている
ITに関する知識がないと使いこなせない
デジタル人材不足
1. 既存のオンラインゲームとの違いが認識されていない
1つ目の原因は「既存のオンラインゲームとの違いが認識されていない」ことです。
メタバースとオンラインゲームは、画面越しに世界観に没入出来ることや、アバターを通じて他の参加者とコミュニケーションが取れるため、共通点が多く、違いが認識しづらいです。
しかし、メタバースとオンラインゲームの最も本質的な違いは、「プラットフォームへのアクセス・プレイする目的の多様性」が挙げられます。
例えば、オンラインゲームではゲーム内であらかじめ設定されたクエスト・ミッションをクリアすることが主な参加目的です。
しかし、メタバースは自分の興味や関心をもとに、仮想空間内を自由に移動することができます。
具体的には、学生が仮想クラスルームで授業を受けることもできますし、直接足を運びづらい海外の歴史的建造物や、危険な化学実験をバーチャルで体験することも可能です。
このようにメタバースでは、自分の興味や関心・目的に合わせて、仮想空間の中で自由に選択することが可能になります。
しかし、メタバースとオンラインゲームには類似点も多いため、一般的に相違点を認識しづらく、メタバースの普及が遅れている要因にもなっています。
2. プラットフォーム選定が間違っている
2つ目は、「プラットフォーム選定が間違っている」ことです。
メタバースを活用する際、適切なプラットフォーム選定は成功の鍵となります。しかし、多くの事業者が「利用者が少ない」「活発に使われていない」プラットフォームを選んでしまうケースがあります。このようなプラットフォームを選定すると、ユーザーが集まりにくく、期待していた効果を得られない可能性が高まります。
2024年現在、世界で活発に利用され、多くのユーザーが集まるメタバースプラットフォームとしては「VRChat」「ZEPETO」「Roblox」「Fortnite」などが挙げられます。これらは、すでに大規模なユーザーベースを持ち、多様なコンテンツやコミュニティ活動が展開されているプラットフォームです。
プラットフォームを選定する際は、ターゲットユーザー層や活用目的に合致し、十分なユーザー数と機能性を備えたものを選ぶことが重要です。適切な選定によって、メタバース活用の成功率を大きく高めることができます。
3. ITに関する知識がないと使いこなせない
3つ目は、「ITに関する知識がないと使いこなせない」ことです。
メタバースは高速インターネットの接続や専門用語への理解など、ITに関する知識がないと使いこなすことが難しい場面があります。
特に普段あまりネットを使わない・使い慣れていない高齢者にとっては、メタバースの始め方が分からなかったり、操作方法に戸惑うこともあります。
今後メタバースが普及するためのポイント
「メタバースは失敗に終わる」と言われる裏側には、少なくともこれだけの理由が見つかります。
可能性はすごそうだが、まだビジネス活用には......。足踏みする気持ちもわかりますが、本当にこのまま「期待倒れ」になってしまうのでしょうか?
ここからは、メタバースが普及しマーケットが成長するための鍵となる要素をまとめます。
1.技術的観点:ハードウェアの価値向上
まずは「ハードウェアデバイスの進化」。
メタバースはVRゴーグル、ARグラスといった専用デバイスでアクセスするため、その発展とUX向上は普及の生命線と言えます。
幸いにして、年々ハードウェアは小型化・軽量化・低価格化が進んでいます。スマホのように身近になる未来はまだ見えませんが、例えばスマートウォッチやスタイラスペンほどの普及度を得られたとき、メタバースは人々の日常生活の一部になるでしょう。
次に、やや専門的になりますが「規格の統一」です。
かつての画像データと同じように、VRのハードウェア・ソフトウェアにも統一規格が求められています。
あらゆるWebサービスでJPEGが使えるように、ユーザーが異なるメタバースのサービス間を同じアバターや通貨でスムーズに活動できれば、普及は加速度的に進むはずです。
2.社会的観点:コンテンツの質向上
次は「コンテンツ」です。
メタバースの最大の魅力は、リアル空間のようにどんなコンテンツでも展開できる自由度の高さです。しかしながら、映像・音楽・パフォーマンス・ゲーム・キャラクターIP・ビジネス講座まで「大ヒット」が出ているとは言えません。
ゲーム業界を例にとるまでもなく、プラットフォームの普及は最高のコンテンツによって牽引されてきました。幅広いジャンルでユーザーをひきつけるメタバースを代表する作品やキャラクターが誕生したとき、その周囲にアバターを通じた交流が巻き起こるでしょう。
デバイスとプラットフォームの特性を理解し、その可能性を広げる革新的なコンテンツを生み出すのは個人クリエイター、あるいは企業かもしれません。
3. 経済的観点:マネタイズ
最後に「マネタイズ(収益化)」です。
後述しますが、すでにメタバース領域にはGAFAMを筆頭に世界中の企業が資本を投下しており、潜在的な収益性は疑いようがありません。
しかし、先行者利益を得たファーストペンギンは現れていません。ここまで紹介してきた「デバイス」「コンテンツ」に加え「インフラ」「法整備」など幅広い分野において、現在はまだ探求の時代と言えます。
メタバースでビジネスモデルを確立し、持続的なエコシステムを初めに完成させるのは誰なのでしょうか。その時点のユーザー数と市場規模は?
視点を変えれば、現時点でもっとも成功者に近いのはビッグテックでなく熱狂的なファンを持つ個人クリエイターかもしれません。メタバースのクリエイターエコノミーについても、次の章で触れていきたいと思います。
企業や自治体がメタバースを活用した事例
このようにメタバースが今後さらに普及していく理由をご紹介してきました。
そして、実際にメタバースを活用し、サービス化している企業や自治体についてご紹介します。
1. 島根県江津市

島根県江津市の伝統芸能「石見神楽(いわみかぐら)」を再現したメタバース空間が、VRChat上で公開されました。2025年5月の公開からわずか1週間で1万人以上が訪れ、市の人口の約半数にあたる人々が体験するなど、大きな話題となっています。
この仮想空間では、須佐之男命(すさのおのみこと)と八岐大蛇(やまたのおろち)が対決する迫力ある場面を、観客席や舞台上など好きな視点から鑑賞できます。
まるで神楽の舞台に入り込んだような没入感が、多くの来訪者を魅了しています。
制作には地元の神楽団体が協力し、演舞は現地でフルトラッキング撮影。衣装や小道具の質感まで丁寧に再現し、伝統芸能ならではの迫力と美しさをそのままVR空間に映し出しています。
また、神楽衣装はアバター用の3Dデータとして無料配布され、誰でもメタバース上で着用可能です。
この取り組みは、地域文化をデジタルの力で広く発信し、距離や時間を超えて伝統を体験できる新たなモデルケースとして注目されています。
参考:株式会社V、島根県江津市の伝統芸能「石見神楽」メタバース化を制作。大阪・関西万博にて公開!
2. ホロライブプロダクション

人気VTuberグループ「ホロライブプロダクション」による夏の大型企画『ホロナツパラダイス』のフィナーレとして、VRChat上で「ビーチで対決!ホロナツクイーン決定戦 in VRChat」が開催されました。
このイベントでは、夏のリゾートをテーマにした特設ワールドが用意され、世界中のファンがVR上で集い、大いに盛り上がりました。
特設ワールドでは、ビーチを舞台にした舞台セットや演出が用意され、出演するVTuberの個性や衣装が映えるデザインに工夫が凝らされています。
さらにライブ配信中のハプニングや名場面を、“追体験”できる仕様になっているのも大きな魅力でした。
ゲーム企画にも力が入れられ、VRChatで人気の3種類の対戦型ゲームと連携。それぞれ異なる楽しみ方ができる仕組みが用意され、参加者はアクティブな体験を通じてイベントを満喫できました。
この取り組みは、VTuber×メタバースによる従来とは異なる新しい体験の形を示すもので、視聴するだけでなく、あたかもその場にいるかのように没入できる“追体験”の仕掛けが、ファンの共感を大きく引き出しました。
参考:株式会社Vが特設ワールドを制作、ホロライブ×VRChat 過去最大級のイベント!
3. GMOペパボ

GMOペパボ株式会社は、VRChat上に展開されるメタバースカジュアル面談サービス「NAGiSAスーパーカジュアル面談」を通じて、実際に求職者の方を面談を実施しました。
参加者は自宅からアバターを通じて面談に臨むため、服装やメイクの準備が不要で心理的なハードルが下がり、自然体で採用担当者と対話できる点が大きな特徴です。
1回あたりの面談時間を10分に設定して、同じ担当者との再マッチングがない仕様を採用し、結果として応募は70名を超え、抽選で10名が参加するという高い関心を集めました。
中には、そのまま本選考へ進む参加者も現れるなど、採用活動への実効性も確認されています。
参加者からは「趣味が仕事につながる期待感が持てた」「担当者を近く感じながらも安心して話せた」といった声が寄せられました。
GMOペパボの担当者も「アバターを介すことで印象が柔らかくなり、対話のしやすい環境が生まれた」と評価しており、今後の新たな採用手法としての可能性が示されました。
参考:カジュアル面談の倍率が7倍になる!?株式会社V、「NAGiSAスーパーカジュアル面談」をリリース開始
まとめ
メタバースは取り組んだ企業の9割以上が事業の停滞や停止していることや、一般的にまだ普及されていないことから、「メタバース=失敗」と言われることも多いです。
しかし、メタバースプラットフォームの確実な定着や、デバイスの低価格化などにより、一部の企業や自治体ではメタバース事業を成功させており、今後もさらにメタバース市場の拡大が期待されます。
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