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【共同調査レポート】旅行やイベントに出かけた人が「15.6%」。メタバースでの生活が「消費」を後押し 

VRChatユーザー1,129名への調査から、株式会社Vが考える企業と生活者の接点

友人と会う、自分らしい姿で過ごす、気になるイベントに足を運ぶ。
メタバースでのこうした日常は、どのような買い物や生活の変化につながっているのでしょうか。

株式会社Vは、博報堂 メタバース生活者ラボ®と共同開発したメタバース内リサーチソリューション「chot-chat(ちょっとチャット)」を活用し、メタバース生活者の「消費」に関するアンケート調査を実施しました。2026年6月30日から7月21日にかけて、VRChat内にアンケートモニターを掲示し、1,129名から有効回答を得ました。本記事では、調査結果を紹介するとともに、メタバースでのコミュニティ運営や企業の事業支援に携わるVの視点から、生活者の行動の背景と、企業が体験を届ける際に大切にしたいことを考察します。

アバターから旅行まで。
メタバースでの体験が買い物のきっかけに

バーチャル空間での生活・体験・交流をきっかけに購入したものや、お金を使ったものを尋ねたところ、「アバター・衣装・アクセサリー」が84.1%、「PCやVR機器、周辺機器」が78.1%となりました(複数回答)。
これらの結果を、「自分らしい姿で過ごすため」と、「その時間を快適に楽しむための環境づくり」という、二つの側面から捉えています。なりたい姿になれるメタバースらしい消費行動だと考えられます。

当然ながら、バーチャル空間の中にとどまりません。「現実世界の旅行やイベント」にお金を使ったと答えた人は15.6%に上ります。
背景として、VRChat内ではユーザー同士のオフ会やオフラインイベントが積極的に開かれており、中には2万人もの人が訪れた大規模なイベントも存在します。また、近年では地方自治体が観光資源をPRする場としてメタバースを活用するケースも増えており、バーチャル空間で触れた情報が、現実世界での旅行やイベントへ足を運ぶ直接的なきっかけを作っています。このほか、「現実世界用の服・アクセサリー」は14.6%、「現実世界用の食品・飲料品など」は13.9%でした。

また「現実世界の家具・インテリア」の購入や「現実世界の家※引越しを含む」にお金を使うといった大きなライフスタイルの変化にも影響を及ぼしていることも判明。実際の声としても、「家族がいる関係で、VRChatのプレイ時に迷惑をかけないように家を借り直しました(1LDK→2DK)」のように、住環境そのものを見直すケースも見受けられました。

調査資料に寄せられた、メタバース生活者ラボの研究活動に参加する外部研究員(以下、メタバース生活者ラボ研究員)の声にも、ワールドのモデルになった現実の場所へ旅行した経験や、アバターを通じて服装やメイクへの関心が高まった経験が紹介されています。これらは個人の体験談ですが、メタバースで生まれた興味や関心が、現実世界での購買や旅行といった行動変容につながる様子がうかがえます。企業にとっても、生活者がどのような体験を通じて商品や場所に興味を持つのかを考えることが、施策の出発点になるのではないでしょうか。

企業ワールドの魅力は、「友人と一緒に楽しめること」

企業が提供するワールドやイベントに参加した経験があると答えた人は、60.9%でした。
また、企業ワールドやイベントの良さを尋ねた設問では、「フレンドと一緒に遊びながら、ワイワイ商品や展示を見られること」が53.2%で最も高く、「現実ではありえない空間や、派手な演出・ギミックを楽しめること」が52.2%、「自分のペースで情報に触れられること」が43.7%と続きました(複数回答)。
これらの結果は、商品や展示に触れる時間が、友人と過ごす時間にもなっていることです。企業の作る空間へ来訪する理由を考える際には、「何を伝えたいか」に加え、「誰と、どのように楽しめるか」という視点が重要だと考えます。
例えば、友人と協力して遊べる仕掛けや、一緒に写真を撮りたくなる空間、会話のきっかけになる演出などが考えられます。自分のペースで回れることも含め、生活者が普段の交流の延長で参加できる体験を設計することが大切です。

体験を、企業や商品への関心につなげるには

企業ワールドやイベントで印象に残った情報を尋ねた設問では、「デザインや世界観のクオリティ(47.5%)」や「ワールドの体験の楽しさ(46.0%)」が高評価を得ました。一方で、「企業・ブランド名(20.0%)」や「商品・サービス情報(18.2%)」の記憶定着率は2割にとどまっています。

この結果はネガティブなものではなく、単に商品情報を配置するだけでは記憶に残りにくいことを示しています。重要なのは、世界観や体験そのものが強く印象に残るという点です。

メタバース生活者ラボ研究員からも、「期間限定のコンビニワールドで新商品のスムージーを作って遊ぶことができ、その影響で現実世界の近所のコンビニに導入されたと知り、すぐに買いに行きました」という声が寄せられています。企業ワールドでの体験が、現実世界での購買行動へ直接つながった好例と言えます。

Vでは、体験の楽しさと、企業が届けたい価値をどう結びつけるかが、企画上の重要な論点になると考えています。例えば、商品の特徴を遊びの仕組みに取り入れる、ブランドの考え方を空間やストーリーで表現するなど、楽しむ過程で企業や商品への理解が深まる設計が考えられます。
来場者数に加えて、参加者が何を覚えているか、どのような関心を持ったかを確かめることも、次の施策を考えるうえで役立ちます。

交流が増え、触れる価値観も広がる

バーチャル空間での生活を通じて人生で「増えたもの」を尋ねた自由回答では、友人や交流に関する言葉が上位に挙がりました。具体的な回答には、海外の友達、人と話す時間、若い世代の流行や思考、創作への興味などが見られます。
また、「減ったもの」の回答には、お金や睡眠に関する声とともに、「若い世代に対する偏見」や、他者に話しかけようとするときのためらいを挙げる声もありました。
これらの回答からは、普段の生活では接点の少ない人と交流し、新しい趣味や考え方に触れている人の姿がうかがえます。世代を超えた交流による変化も、メタバースで過ごす時間の価値の一つと考えられます。
Vでは、こうした人とのつながりや自己表現の場としての性質を踏まえて、消費を捉えることが重要だと考えています。どんなものが買われているかだけでなく、その背景にどのような交流や活動があるのかを知ることで、生活者にとって意味のある体験を考えやすくなるはずです。

現実の生活と両立しながら、豊かな交流を育むために

人生で「減ったもの」の自由回答では、お金・貯金や睡眠が上位に挙がりました。今回の回答だけでは、支出額や睡眠時間の変化、その影響の程度までは分かりませんが、交流や活動の充実とともに、時間や支出の負担にも目を向ける必要があります。

一方で、「減ったもの」には、前向きな変化を示す声も見られました。自由回答では「若い世代に対する偏見」や、一人で悩む時間が減ったという声があり、メタバース生活者ラボ研究員からも、やりたいことが増えて落ち込む時間が減ったという経験が寄せられています。日常では接点の少ない世代や、多様な価値観を持つ人との交流が、ものの見方や気持ちの変化につながる可能性もうかがえます。

メタバースが生活の一部として広がっていくうえでは、こうした交流の価値を大切にしながら、現実の生活と無理なく両立できる環境を考えることが欠かせません。Vでは、滞在時間や消費額に加え、参加する人が自身の生活に合ったペースで楽しみ、継続して関われることも、企業やコミュニティ運営者が重視すべき視点だと考えています。

今回の調査からは、メタバースでの交流や体験が、アバターの購入から現実の旅行まで、さまざまな消費や行動変容につながる様子がうかがえました。その背景にある生活者の楽しみや関心、そして負担を理解することが、企業と生活者のよりよい接点をつくる第一歩になると考えています。

調査概要

出典:博報堂 メタバース生活者ラボ®・株式会社V「メタバース生活が後押しする『消費』に関する調査レポート」

調査結果の詳細:https://hassogiken.jp/article/chotchat_research2/

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